冥王星、地表の下に「氷の海」存在か 探査機のデータが示唆
(CNN) 冥王星の地表の下に「氷の海」が隠れている可能性があることが17日までに分かった。科学誌ネイチャーで発表された研究で明らかになった。
冥王星の北部地域には、1000キロにおよぶハート形の「スプートニク平原」が存在している。今回発表された2つの研究では、スプートニク平原と冥王星の衛星カロンとが常に一直線上に並ぶ理由について説明を試みている。
アリゾナ大学による1つ目の研究では、スプートニク平原が氷で満たされており、冥王星とカロンの間の潮汐(ちょうせき)力を変えることが示唆された。
カリフォルニア大学による2つ目の研究では、平原と衛星の位置関係を一直線上に保つ潮汐力は平原地下の海が部分的に凍った「半解けの」状態である結果として引き起こされることが示唆された。
今回の研究に使われたデータは米航空宇宙局(NASA)の探査機「ニューホライズンズ」が2015年7月に冥王星に最接近した際に収集された。ニューホライズンズのチームにはマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者も参加している。
MITニュースによれば、厚く重たい海が「重力異常」のようなものを引き起こし、それが冥王星とカロンとの重力的な綱引き状態に多大な影響を与えている可能性があるという。
スプートニク平原は、小惑星が冥王星の地表に衝突した数十億年前に形成され、過去1000万年の間に固体窒素で満たされたクレーターが残されたとみられている。