地中海式ダイエット、一部乳がんのリスク低減に効果か
(CNN) 果物や豆、未精製の穀物、オリーブオイル、魚などを中心とした地中海式の食事がエストロゲン受容体陰性乳がんのリスクを低減する可能性があることが8日までに分かった。オランダでの研究が学会誌で発表された。
今回の研究は、55歳から69歳の女性6万2573人を対象に、コホート研究の一環として、1986年から20年以上にわたり食生活を調査した。期間中、3354人が、がんを発症した。がんの病歴や食事のデータが不十分な患者を除いた2321人について分析を行った。
研究によれば、閉経後の女性のエストロゲン受容体陰性乳がんについて、地中海式の食事を取り続けていた人は有病率が40%低減した。
地中海式の食事では伝統的に少量のワインの消費も許されるが、アルコールと乳がんの関連が知られているため、今回の研究では除外された。
過去には、地中海式の食事が長寿や骨の強化、循環器疾患のリスクの低減などにつながる可能性があるとの研究結果も報告されている。
今回の研究には関与していない米メイヨー・クリニック医科大学のプルーティ博士は「食事は乳がん阻止のための重要な要因だ」と指摘。生活様式の中でも食事が最も変更しやすいもののひとつだとし、野菜や魚といった地中海式食事の中心的要素が乳がんのリスク低減にプラスの効果を与えているとの見方を示した。
一部の乳がんは、体内で自然に発生するホルモンに反応する受容体を持つ。受容体陽性のがんはホルモン療法に反応することが多い。陰性の場合はそうではなく、治療の選択肢がせばまることになる。