北極圏の島に図書館開設、世界の文献を滅亡から守る
(CNN) 北極点から約1000キロ、極寒の海に浮かぶノルウェー領のスバールバル諸島でこのほど、廃坑の奥深くに新しい図書館が開設された。
図書館の名は「アークティック・ワールド・アーカイブ」。未来の滅亡的な事態に備えて歴史的・科学的に貴重な文献を守ることを目的に、学術論文から文学作品に至るまで、世界のあらゆる文献のデータを集めている。
図書館は地下150メートルの深さにあり、核攻撃にも耐えられる。収集したデータは改ざんや不正アクセスから守るため、ネットワークには接続されない。
たとえ停電が起きたとしても、内部の温度は氷点下に保たれ、データは何十年でも、恐らく何百年でも保全される。
プロジェクトを手掛けるノルウェー企業Piqlの担当者は言う。「これで未来の世代が過去からの情報を簡単に入手できる。データ量は年々増え続けている。長期的なデータ保管の解決策はほかに存在しない」
Piqlは3300万ドル(約36億5000万円)以上を投じて、データを長期間安全に保管できる新技術を開発した。42カ国が非武装を宣言したノルウェー領のスバールバル島は、「『デジタル大使館』にとって地球上で最も安全な場所」と同社は強調する。