中国でサルのクローン2匹誕生、「ドリー」の技術応用
この手法で79個の受精卵を作成して21匹の代理母に移植した結果、6匹が妊娠して、2017年に2匹が誕生した。この受精卵から、さらに数匹が間もなく誕生する見通しだという。
霊長類のクローン誕生は、倫理的な問題も生じさせる。今回の手法は、理論的にはヒトにも応用できる。論文を発表した研究チームは、ヒトへの応用を試みるつもりはないとしながらも、世界でクローン規制の法律や制度に関する論議に火が付くだろうと予想している。
研究チームは今後もSCNT技術の一層の向上に取り組みながら、フアフアとゾンゾンの身体や知能の発達について観察を続ける意向。いずれは自閉症やパーキンソン病、アルツハイマー、ハンチントン病といった人間の遺伝疾患の研究に役立つとの期待を示している。
中国政府はクローン研究施設とプロジェクトの規模を大幅に拡大する意向だといい、サルのクローンを手がける施設は5年以内に20~30施設の増設が見込まれる。
フアフアとゾンゾンはこれまでのところ健康状態も良く正常に成長している様子で、研究チームが公開したビデオでは、活発に動き回って好奇心旺盛な様子をのぞかせている。