たばこの吸い殻は最悪のプラスチック汚染物質、フィルターでがん防止できず
(CNN) 環境汚染の原因となる物質としてプラスチック製ストローやレジ袋に対する風当たりが強まる中、それ以上に大きなプラスチック問題を生じさせながら、規制をすり抜けている汚染源がある。たばこの吸い殻がそれだ。
プラスチックフィルターが含まれるたばこの吸い殻は、捨てられる量が世界一多い。
たばこのフィルターは生物分解可能な素材でできていると思われがちだが、実際にはプラスチックの一種の酢酸セルロースが使われており、分解されるまでには最大で10年かかる。
欧州連合(EU)は、この隠された問題への対応に乗り出した。使い捨てプラスチックを減らす対策の一環として制定した新規定では、たばこ業界に対し、吸い殻の清掃のための資金拠出を義務付ける。
1年間に製造されるたばこは約6兆本。うち90%以上にプラスチックフィルターが含まれる。これは100万トン以上のプラスチックに相当する。
世界保健機関(WHO)によると、ごみの投げ捨ての中でも特に横行しているのがたばこの吸い殻の投げ捨てで、吸い殻の約3分の2は無責任に捨てられる。路上や側溝に捨てられた吸い殻は、排水を伝わって河川や海に流れ込む。