謎に包まれた米空軍の無人宇宙船、宇宙滞在記録を更新
ニューヨーク(CNN Business) 米空軍の実験用無人宇宙船「X37B」が軌道に入ってから718日が経過し、同ミッションとしての最長記録を更新した。
空軍は過去10年の間に5機のX37Bを軌道に送り込み、毎回滞在記録を更新していた。
空軍の広報によると、現在のミッションの終了日は決まっておらず、X37Bは目的を全て果たした時点で地球に帰還する。
その目的については厳重に秘密が守られていて、空軍はX37Bの軌道上の位置も公表していない。ただ、アマチュア天文家らは望遠鏡でX37Bを観測している。
軍が再利用可能な宇宙船技術を開発するためにX37Bを使っていることは判明した。X37Bは新しいナビゲーションシステムや、大気圏に突入して無事着陸させる技術の実験を目的として設計されている。
X37Bは小型のスペースシャトルのような形状で、ロケットに乗せて打ち上げ、宇宙空間で離脱してミッションを遂行する。任務が終わると地球に帰還して、民間機のように滑走路上に水平着陸する。
空軍広報によれば、X37Bでは「地球に戻して検証可能な実験」の実施も想定している。その実験の内容はもちろんトップシークレット扱いだが、スパイ活動や宇宙兵器の実験が絡むのではないかとの臆測も飛び交う。
現在軌道上にあるX37B機の「OTV5」は、2017年9月にスペースXのロケット「ファルコン9」で打ち上げられた。前任の「OTV4」は2017年5月までの718日間、軌道上に滞在した。
X37Bは全て、米ボーイングが建造している。