海岸で暮らす生き物、太平洋上のプラスチックごみに生息 外洋で豊かな生態系を形成と研究者

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2018年に太平洋ゴミベルトから引き上げられた網やロープ、プラスチックごみなど/Handout/The Ocean Cleanup/EPA-EFE/Shutterstock

2018年に太平洋ゴミベルトから引き上げられた網やロープ、プラスチックごみなど/Handout/The Ocean Cleanup/EPA-EFE/Shutterstock

(CNN) 科学者らはこのほど、小さなカニやイソギンチャクなど海岸で暮らす生き物が豊かな群集を形成しながら本来の生息地から数千キロ離れた海洋で生息している実態を突き止めた。これらの生物が付着する大量のプラスチックごみは「太平洋ゴミベルト」と呼ばれ、面積約160万平方キロのごみの集積となって米カリフォルニア州とハワイ州の間を漂っている。

17日付の科学ジャーナル「ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション」で発表された論文の中で、研究者のチームは海岸に生息する無脊椎(せきつい)動物数十種について、海洋に長年浮かんだプラスチックごみの上で生存、繁殖できていると明らかにした。

科学者らによればこの結果は、海洋のプラスチック汚染が新たな漂流型の生態系を生み出す可能性があることを示唆するという。この生態系を形成する種は、通常なら外洋では生きていけない生物たちだ。

有機物の場合は数カ月、長くても数年で分解し、沈んでいくのに対し、プラスチックごみは海上に浮かんでいられる期間が格段に長い。このため付着した生物は、数年にわたり外洋で生存、繁殖する機会を手にすることになる。

米国立食品農業研究所の科学研究員で論文の筆頭著者を務めたリンジー・ハラム氏はCNNの取材に答え、こうした生物の発見率の高さに驚きを表明。研究対象としたプラスチックごみの7割でその存在を確認したと述べた。

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