絶滅した飛べない鳥「ドードー」、再生プロジェクトの期待と課題

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コロッサル・バイオサイエンシズが作成したドードーのイラスト/courtesy Colossal Biosciences

コロッサル・バイオサイエンシズが作成したドードーのイラスト/courtesy Colossal Biosciences

ドードーを復活させる理由

そもそも、なぜ資源を結集してはるか昔に絶滅した飛べない鳥を復活させ、インド洋の中心に浮かぶ島に隔離する必要があるのか。

コロッサルの最高経営責任者(CEO)兼共同創業者のベン・ラム氏は、ドードーの再生により、「保全に関する楽観主義」を生み出す機会が得られるとし、気候変動、生物多様性の喪失、政治問題により希望が失われがちなこの時代に、(ドードーの復活が)世界中の人々、特に若者が(生物の保全)に関心を持つきっかけになればと願っている、と述べた。

またラム氏は、コロッサルのドードー再生プロジェクトが開発した技術は、他の鳥類の再生にも役立つ可能性があると付け加えた。

MWFのタタヤ氏もこのプロジェクトは、モーリシャスにおける保護活動を拡大させる推進力になりうると考えているが、ドードーのモーリシャスへの復帰は早期に実現するわけではなく、恐らく10年はかかるとの見通しを示した。

またタタヤ氏は、絶滅種を復活させる技術はまだ初期の段階にあり、すでに十分に試行されてきた保護方法、特に絶滅危惧種の保護方法に取って代わるものではなく、あくまで選択肢の一つと考えるべきだと主張した。

ヒューム氏もタタヤ氏の意見に同意した上で、コロッサルによる巨額の投資は、モーリシャス以外の場所でも、絶滅の危機にある他の多くの種を従来の保護方法で救う取り組みにも利用可能だと付け加えた。

ヒューム氏は、絶滅種を復活させる動きに反対しているわけではなく、その技術をフクロオオカミ(タスマニアタイガー)のような最近絶滅した種や、現在わずか2頭のメスが生息するのみとなったキタシロサイなど、もはや自力では生き残れない種に適用すべきと考えている(コロッサルは現在、この2種の研究も行っている)

ヒューム氏は「長年、ドードーの研究を続けてきたが、まだ学ばなくてはならないことは多い」とした上で、「ドードーの再生が成功したら、私は間違いなく見物客の列の先頭にいるだろう」と付け加えた。

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