運賃を体重で決める方式、サモア航空が導入 世界初
(CNN) 南太平洋の島国サモアの小さな航空会社が乗客の体重によって運賃を決める方式を採用したことが3日までに分かった。「航空運賃の公平性を期す」というのが導入の理由。体重別の運賃体系を定めた航空会社は世界で初めてだという。
この運賃体系はサモア航空が昨年11月から導入している。クリス・ラングトン最高経営責任者(CEO)は「すべての乗客が同じ体形ではないことを考慮しなければならない」と話す。
同航空はウェブサイトにも「運賃は体重と荷物によって決まります」と明記。ネットで予約する場合はおおよその体重と荷物の重さを入力し、その数値に基づいて運賃を前払いする。空港では改めて、体重と荷物の重さが測定される。
サモア航空が運航しているのは、客席数10席の2便と4席の1便の計3便のみ。現在はサモアと米領サモア、トンガ、ニウエや周辺の島国を結ぶ便を運航している。
ラングトン氏によると、年内にはエアバスA320―200型機を導入し、オーストラリア、ニュージーランド、フィジーなどへの国際便にも進出する予定だが、体重別運賃はこうした便にも適用する方針だという。
「業界はすべてを無理やり1つの型に当てはめようとして、多くの人が空の旅で不快な思いをしていることを考慮してこなかった」とラングトン氏は言う。子どもがいる場合、座席ごとの運賃よりも体重別運賃の方が安く上がることもあるため、この運賃体系は家族連れには歓迎されているという。
体重別の航空運賃をめぐっては、ノルウェーの経済学者が導入を推奨する論文を発表する一方で、乗客に「肥満税」を課すものだとして批判する声もある。
米国では一部の大手航空会社が、1つの座席に収まり切らない乗客に対し、2座席分の運賃を請求する制度を導入している。