中国初の大型ジェット機、来月にも空へ 「地上試験」クリア
シアトル(CNNMoney) 中国初の大型ジェット機「C919」が23日、上海の浦東国際空港で最終地上テストを終え、世界の航空大手との競合に向けて大きな1歩を踏み出した。
C919は国営中国商用飛機(COMAC)が製造した。23日のテストでは、滑走路上でスピードを上げ、先端部分が宙に浮いたところで急ブレーキをかけた。
同機は5月にも初飛行が行われる見通し。今回のテストは、非常時に備えて滑走路上で安全に停止できる能力を実証する狙いで行われた。
C919の座席数は168席。大きさはエアバスA320型機やボーイング737―800型機に匹敵する。外観は欧米産の航空機とほとんど変わらず、エンジンはエアバスの最新鋭機とほぼ同一。客室の幅はボーイングやエアバスよりもやや広い。
中国が国産の大型機を就航させれば、米国、ロシア、ブラジル、カナダ、英国、フランス、ドイツに続くことになる。
当初の予定では同機は2016年の就航予定だったが、技術問題などに見舞われて、試作機の披露は15年11月にずれ込んでいた。
初飛行に成功すればプロジェクトは大きく前進するが、旅客機として欧米の航空大手と競えるようになるまでには、まだ数カ月から数年かけて厳しい検査に合格する必要があり、安全基準を満たすために設計の変更を迫られる可能性もある。
中国内外の航空会社に採用されるためには、効率的で安定した運航ができる能力を示す必要もある。これまでのところC919はほぼ全機が、中国国内便への利用を目的とした中国の航空会社によって発注されている。
中国の民間航空市場は2030年までに米国を抜き、世界最大の規模に達する見通し。