「世界一黒い物質」、英企業が開発
(CNN) 英ロンドン郊外で開催中のファーンボロー国際航空ショーに出展され、話題を呼んでいる黒い物質。英企業が開発した「世界で最も黒い物質」はまるでブラックホールのように光を吸い込み、それで覆われた物体の形状を人間の目で見分けることはできない。
「ベンタブラック」と名付けられたこの物質は光の99.96%を吸収する。黒い塗料や布地などに見られる通常の黒色は吸収率が95~98%。開発元のサリー・ナノシステムズ社によれば、英国立物理学研究所や米国立標準技術研究所で試験されたなかで最も黒い物質だという。
ベンタブラックは直径2~3ナノメートル(ナノは10億分の1)の多数のカーボンナノチューブ(筒状炭素分子)からできており、アルミホイル上で生成される。ホイルだけのときは目に付く表面のしわも、ベンタブラックに覆われるとまるで消えてしまったかのように識別できなくなる。
「穴のようだと言う人もいる。ホイル上のでこぼこを識別するのに必要なだけの光が文字通り出てこないから」と、同社のスティーブ・ノーザム氏は言う。