新型iPhoneの指紋認証破りに懸賞、総額160万円
(CNN) セキュリティー研究者が総額1万6000ドル(約160万円)以上の懸賞をかけて、米アップルの新しいスマートフォン「iPhone(アイフォーン)5s」に搭載された指紋センサー「タッチID」のハッキングを呼びかけるサイトを開設した。
このサイト「IsTouchIDHackedYet.com」を開設したのは、スマートフォンのセキュリティー破りで有名な研究者のニック・デペトリロ氏と、セキュリティー企業エランタ・セキュリティー経営者のロバート・デービッド・グレアム氏。
デペトリロ氏は短文投稿サイトのツイッターで21日、同サイト開設の狙いについて、「アップルのタッチIDのセキュリティー対策について、批判を展開させること、または批判を封じ込めること」にあると説明している。
賞品には現金やデジタル通貨「ビットコイン」、アルコール飲料、さらにはアダルト本などを用意した。22日午前の時点でまだ、ハッキング成功の発表は掲載されていない。
20日に発売されたiPhone5sには、セキュリティー強化策として指紋センサーがホームボタンに内蔵された。ユーザーが自分の指紋を登録しておくと、ボタンの上に指を置いてロックを解除できる仕組み。他人の指では解除できず、端末を利用することはできない。
挑戦者はこの指紋認証の手順をかわして、5回以内の試行でiPhone5sのロックを解除する必要がある。すべての手順は動画に記録することが条件。
デペトリロ、グレアムの両氏は、メーカーなどが見落としているセキュリティー上の弱点について調査・報告している「善玉ハッカー」と呼ばれる存在。メーカー側は一般的に、こうした専門家による協力を評価し、問題の解消に役立てている。
アップルにもコメントを求めたが、返答はなかった。