アップルCEO「偽ニュース、思考殺す」 撲滅運動呼び掛け
ニューヨーク(CNNMoney) インターネット上にはびこる「偽ニュース」の問題について、米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)がこのほど英紙のインタビューに答え、IT業界はこの問題に対して行動を起こす必要があるとの認識を示した。
クック氏は欧州訪問中に英紙デイリー・テレグラフのインタビューに応じ、偽ニュースについて「大がかりなキャンペーンが必要だ。あらゆる層を通じて考えなければならない」と指摘。「我々IT企業すべてが、偽ニュースの量を減らすために何らかのツールを開発する必要がある」と語った。
この問題についてはフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOなども発言しているが、クック氏はさらに率直な語り口で、でっち上げ記事やデマが「人々の思考を殺している」と述べ、偽ニュースは世界の多くで大きな問題を蔓延(まんえん)させていると分析した。
ソーシャルメディアなどを通じて拡散する偽ニュースは、政治目的ででっち上げられることもあり、米大統領選挙では大きな問題になった。一般の読者にとって、正規のニュースと偽ニュースを見分けることは極めて難しい。
そこにアップルのような企業の出番がある。
「私たちの多くは今現在、文句を言うばかりでどうすべきかが分かっていない」と語るクック氏は、技術的、知的解決策の必要性を説き、「現代版の公共広告キャンペーンが必要だ。これは意思さえあればすぐにできる」と訴えた。