失われた文化のるつぼ スワヒリ海岸を訪れる
(CNN) インド洋の風は数千年にわたり、貿易商や戦士、宗教をスワヒリ海岸に運んできた。アラビア半島やアジア、欧州からこぞって人々が上陸し、それぞれの歴史と文化の痕跡を残してきた。
ケニアの海岸線は数世紀にわたる地殻変動によって形成されたもので、今でも探索の余地が多く残されている。以下ではそんなスワヒリ海岸の見所6選を紹介する。
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ジーザス要塞
港湾都市のモンバサには巨大なジーザス要塞がそびえ立つ。欧州人とアラブ人が数百年前、この要塞をめぐって戦いを繰り広げるなか、スワヒリ人は板挟みになった。
ジーザス要塞で教育担当者を務めるラファエル・イゴンボ氏は「要塞に踏みとどまった勢力がモンバサを支配した」と述べる。
ジーザス要塞は1500年代、2年9カ月をかけてサンゴ岩から建設された。建設を命じたのはこの地を手中に収めたポルトガル王だが実際に作業に従事したのは主にスワヒリ人だ。スワヒリ人たちは後に、ポルトガル人の圧政に立ち向かうためオマーン人の支援を仰いだ。
オマーン人は3年にわたる戦争の末、モンバサの支配を確立。やがてアラブ文化の影響がスワヒリ文化に浸透し始めた。「スワヒリ」はアラビア語で「海の民」「海岸の民族」を意味する。