米環境保護庁、サケ保護へ方針転換 アラスカ鉱山開発で
(CNN) 世界最大のベニザケ生息地、米アラスカ州のブリストル湾付近で計画されている鉱山開発をめぐり、米環境保護庁(EPA)は26日深夜、開発容認の方針を転換し、漁場の保護を優先する立場を表明した。
EPAはオバマ前政権下の2014年、鉱山が開発されれば湾の一部で魚の生息域が完全に破壊され、将来の復活も不可能になるとの研究結果を報告。前政権は水質維持を優先して開発を規制した。しかしEPAは昨年、この規制を撤廃して大規模な金と銅の鉱山開発を容認する方針に転じていた。
CNNが昨年秋に伝えたところによると、トランプ大統領に任命されたEPA長官のプルイット氏は、開発プロジェクトを進める企業の最高経営者(CEO)と会談した数時間後に規制撤廃を表明した。この報道を受け、連邦議会の野党・民主党議員ら40人余りが共同書簡で「深い懸念」を示していた。
アラスカ州のウォーカー知事もこの1年間、プルイット氏に対して鉱山開発への反対を繰り返し訴えてきた。
プルイット氏は26日、「当地域での鉱山開発は豊富な天然資源にリスクを及ぼす可能性が高いと判断した。リスクの全容が判明するまで、天然資源と漁場を最大限に保護するべきだ」と述べた。
開発業者はEPAと昨年交わした合意に基づき、許可申請の手続きを進めてきた。EPAの方針転換により、開発許可の条件は厳格化されるものの、業者側は依然として「厳しい環境基準にも適合する計画だ」と自信を示している。