イラク開戦10年も終結見えず 相次ぐ爆発で55人死亡
(CNN) イラク戦争の開戦から10年を迎えた19日、同国各地で爆発が相次ぎ、少なくとも55人が死亡、多数が負傷した。10年たった今なお暴力が絶えず、不安定な状況が続く現実を見せ付けている。
この日は自動車爆弾17発、路上爆弾7発が相次いで爆発し、2カ所で銃撃事件が起きた。標的とされたのは主に首都バグダッドのイスラム教シーア派の居住地域だったが、別の都市ではスンニ派の居住地域も狙われた。負傷者は少なくとも187人に上っている。
宗派間の対立が激化した2006~07年のピーク時に比べれば、犠牲者の数は減少している。しかしフセイン政権崩壊後の政治的、経済的混乱の中で、日常的にテロが頻発する状況は変わっていない。
バクダッドでは1週間ほど前にも同時テロが起きたばかりだった。
開戦以来の10年で、イラク人は13万4000人以上、米国および多国籍軍の兵士は4800人以上が犠牲になった。同国の犠牲者数を集計している英団体イラク・ボディカウントは、「始まりは明らかだったが、終わりは見えない」「国内の主要地域で、武力テロが容赦なく人命を奪い続けている」と指摘している。