ミャンマーで仏教徒とイスラム教徒の衝突拡大、多数死亡
ミャンマー・ヤンゴン(CNN) ミャンマー中部メイッティーラ市の当局者は23日までに、同市で仏教徒とイスラム教徒との衝突が悪化、これまで約20人が死亡したと報告した。衝突は近辺の町などにも広がり始め、メイッティーラでは剣やおので武装した仏教僧らが路上で警戒を続けているという。
暴徒化した住民による家屋や学校、モスク(イスラム教礼拝所)への放火が相次ぎ、数千人が自宅などを失った。テインセイン同国大統領は22日夜、衝突が発生した周辺4町に非常事態を宣言した。国連や米国はメイッティーラ市情勢への懸念を表明した。
長期の軍政から脱したミャンマーでは民主主義へ向けた施策が多数打ち出されているが、最近は政治情勢の変化を反映するかのように少数派民族などが絡む暴力事件が目立ち始めていた。
メイッティーラ市議会の野党議員によると、死者の大半はイスラム教徒で、焼け焦げた遺体となって路上で発見された。地元警察によると、仏教僧を含む仏教徒約100人が21日、市周辺にあるモスクを焼き打ちにした。イスラム教徒100人が同市のサッカースタジアムに避難したという。