新天地目指した移民、海や砂漠で4万人が命落とす
(CNN) 国際移住機関(IOM)は1日までに、欧州や米国への移住を目指して死亡した人が、2000年以来、少なくとも4万人に達したとの統計を発表した。
IOMによると、死者のうち約2万2000人は欧州へ渡ろうとしていた。米国とメキシコの国境付近では6000人が死亡、アフリカのサハラ砂漠やインド洋上などの移民ルートでも3000人が命を落とした。
砂漠や海上で人知れず命を落とす人も多く、実際の犠牲者数はこれを大幅に上回ると推定している。
欧州を目指した人の多くは航海に耐えないような船に乗せられて中東や北アフリカを出港し、地中海を渡る途中に船が沈没した。こうした船にはシリアやパレスチナ自治区ガザの戦闘を逃れた避難民や、迫害や貧困から逃れて新生活を目指す人などが乗っていた。
IOMは「安全に移住できる機会が限られているため、移民希望者が密輸業者の手にかかり、窮状にある人たちの命を脅かす不正な取引が横行する。この連鎖を断ち切らなければならない」と指摘。「書類のない移民は犯罪者ではない。保護や支援を必要としていて、尊敬に値する人間だ」と強調した。
国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルも30日に報告書を発表し、今年に入って地中海で死亡した人は少なくとも2500人に上ると推計。欧州連合(EU)諸国が対応を強化しなければ、さらに多くの人命が失われると警告した。