北朝鮮で深刻な洪水被害、政府が異例の支援要請
(CNN) 北朝鮮の朝鮮中央通信は、同国北東部が記録的な豪雨による洪水に見舞われ、深刻な被害が出ていると伝えた。北朝鮮メディアが自国の窮状について伝えるのは異例。
朝鮮中央通信の11日の報道によると、北東部で1945年以来の記録的な豪雨が観測され、数万棟の建物に被害が出た。住民は住む場所を失って「多大な苦難に見舞われている」という。
国連人道問題調整事務所も、北朝鮮で台風10号(ライオンロック)の影響による被害が出ていることを確認した。茂山(ムサン)郡や延社(ヨンサ)郡、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の会寧(フェリョン)市などで豪雨による洪水が発生し、これまでに133人が死亡、395人が行方不明となり、14万人が緊急に支援を必要としているという。
朝鮮中央通信は、朝鮮労働党中央委員会が党員や朝鮮人民軍に対し、連携して被災地の復興支援に当たるよう呼びかけたと伝えた。労働党は全土で200日にわたる動員計画の展開も指示しているという。
災害の規模の大きさを受け、北朝鮮政府は公式の支援要請にも踏み切った。
北朝鮮事情に詳しい香港城市大学のブラッドリー・ウィリアムズ教授は、「北朝鮮政府が表立って広く支援を呼びかけるのは、前例がないわけではないが珍しい」と話している。