シリア軍、停戦終了を宣言 人道支援の車列に爆撃か
(CNN) シリア軍総司令部は19日、声明を出し、米国とロシアの仲介で今月12日から始まっていた停戦は終了したと宣言した。この直後、シリア政府軍の戦闘機が北部アレッポ一帯を空爆し、非政府組織のシリア人権監視団(本部・英国)によると死傷者が出ているほか、人道支援物資を積んだ国連の車列もアレッポ近郊で爆撃を受けた。
こうした事態を受け、米政府高官は「今日起きたことはシリアに平和をもたらす取り組みに深刻な打撃を与えた」と指摘。停戦合意でロシア側に求められているシリア政府の抑制をロシアが実現できるのかについて、深刻な疑念が生じたとしている。
米ニューヨークにいる国連の報道官は、支援物資を積んだ車列のうち少なくとも1団がアレッポ近郊オルムに向かう途中で爆撃されたことを確認した。国連がシリア赤新月社と連携して派遣した車列で、7万8000人分の食料や支援物資を運んでいたという。
複数の米当局者は同日、国連の車列が爆撃される前に、停戦に関するあらゆる決定は米ロ両国の政府の間で下される必要があると指摘していた。ケリー国務長官は同日、「停戦を取り決めたのはシリアではない」「今回の停戦合意を作ったのはロシアだ」と述べていた。
ケリー長官はまた、ロシア側がシリアのアサド大統領をコントロールすることが重要だと強調。アサド氏により、人道支援物資を積んだ車列などが無差別爆撃されていると指摘していた。
#BREAKING:Today, @SYRedCrescent #Aleppo delivering aid convoy of 31 trucks will reach the western rural side of Aleppo pic.twitter.com/fqGiCUyc3t
— SARC | Aleppo (@SARC_Aleppo) 2016年9月19日