野党指導者殺害から2年、抗議集会に数千人 ロシア
モスクワ(CNN) ロシアのプーチン政権を厳しく批判したことで知られる政治家ボリス・ネムツォフ氏が殺害されてから2年が経過しようとする26日、事件を風化させまいと首都モスクワの路上に数千人が繰り出し、政権への抗議の声を上げた。
当時55歳だったネムツォフ氏は2015年2月28日、女性とモスクワ中心部を歩いていたところを背後から射殺された。1990年代にエリツィン政権下で副首相を務めたネムツォフ氏はプーチン大統領に対する最も厳しい批判を展開していた人物のひとりで、殺害の2日後にはモスクワでの大規模な政治集会に参加する予定だった。
同氏の弁護士によれば、ソーシャルメディア上には事件の数週間前から同氏を脅迫する内容の書き込みがなされていたという。
事件の容疑者としてチェチェン人5人が逮捕され、昨年10月から裁判が行われているが、被告は全員無罪を主張。ネムツォフ氏の近親者やかつての同僚は、事件の真犯人や殺害を指示した人物が公正に裁かれないのではないかとの懸念を抱く。
今月初めにはネムツォフ氏の友人でプーチン批判の活動家、ウラジーミル・カラムルザ氏が体調を崩して入院した。2015年にも謎の「病気」を発症し、九死に一生を得た経験を持つ同氏はこのほど退院し、治療のためロシアを出国している。
ロシア政府は、政治的に敵対する人物を殺害の標的にしているといった主張を一貫して否定している。