プーチン批判の露女性バンドに禁錮2年の実刑判決
モスクワ(CNN) 今年2月、ロシア正教会の聖堂内でロシアの女性パンクバンド「プッシー・ライオット」がプーチン大統領を批判する演奏を行ったとしてフーリガン(乱暴)行為の罪に問われていた裁判で、モスクワの地区裁判所は17日、バンドのメンバー3人に対し禁錮2年の実刑判決を言い渡した。3人は控訴すると見られる。
同バンドは今年2月、ロシア正教会の救世主ハリストス大聖堂内でプーチン氏に対する抗議活動を行い、「聖母様、どうかプーチンを追い払って」などと叫んだとして起訴された。
判事は、政治的動機から行った行為との被告の主張を退け、パフォーマンスはロシア正教を侮辱し、公共の秩序を乱すことが目的だったと断じた。その上で、3人のメンバーのうち2人に幼い子どもがいることは情状酌量の要素になると述べた。
この裁判は世界的に注目を浴び、国際社会からはロシアにおける言論の自由を懸念する声が相次いだ。
在ロシア米国大使館は、短文投稿サイトのツイッター上で「(禁錮2年の判決は)重すぎる」と指摘。欧州連合(EU)のアシュトン外交・安全保障上級代表も「(判決は)言論の自由を尊重するとの国際的責務に反する」とし、判決を破棄するよう求めた。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは「(判決は)ロシアの言論の自由に対する大きな打撃」と批判した。
また米国のポップ歌手マドンナさんも3人の理念を支持しており、先週、モスクワで行われたコンサートでもプッシー・ライオットをまねたパフォーマンスを行った。
17日にはロンドンやワシントンなど、世界各国のロシア大使館前でプッシー・ライオットを支持するデモが行われた。