「預言者冒とく」の映画関係者、プロデューサーにだまされたと弁明
(CNN) リビアやエジプトの米国大使館が襲撃される原因となった米映画「Innocence of Muslims(無邪気なイスラム教徒たち)」について、関係者は12日、プロデューサーを非難する声明を出した。
インターネット上で公開されたこの映画の予告編では、イスラム教は詐欺的な宗教として描かれており、イスラム世界で強い反発を招いている。
声明によれば、出演者と撮影スタッフは「映画の意図や目的について大きく異なる説明を受けていた。大幅に脚本を書き換えられたことや、関係者全員が嘘をつかれていたことに衝撃を受けるとともに、悲劇が起きたことを深く悲しんでいる」という。
2011年7月に雑誌などで行われた出演者募集では、題名は「Desert Warrior(砂漠の戦士)」とされ、「アラブの砂漠を舞台にした歴史冒険映画」との説明がなされていた。
この映画に出演したある女優によれば、当初の脚本には預言者ムハンマドは出てこなかったという。
この女優が12日、プロデューサー(映画の広告によれば名前はサム・バシル氏)に連絡を取ったところ、「イスラム教徒に殺人をやめさせたくてこの(新しい)脚本を書いた」と言われたという。
この女優によれば、映画に出てくる預言者ムハンマドのキャラクターは、撮影中は「ジョージ」という役名だった。撮影後、アフレコで別の台詞が加えられた可能性がある。撮影スタッフの1人も、当初は台本にイスラム教やムハンマドへの言及はなかったと証言する。
ウォールストリート・ジャーナル紙によれば、プロデューサーのバシル氏はイスラエル系アメリカ人。だがイスラエル外務省は、今の時点では身元を確認できないとしている。