世界に誇る日本の漫画家、井上雄彦氏インタビュー
(CNN) 西洋人にとっては漫画といえば作り話であり、現実逃避の手段だったりする。しかし世界的な人気を誇る日本の漫画「スラムダンク」の作者、井上雄彦氏は、できる限り現実に近い世界を漫画に描き出そうとする。CNNの特集「CNN Human To Hero」で、井上氏にその世界観を語ってもらった。
スラムダンクは1990年代に「週刊少年ジャンプ」に連載された。不良少年が、ある女性の気を引きたくてバスケットボールを始めるようになり、自分の才能に目覚めていくというストーリー。井上氏がこの作品で一躍有名になったのは23歳の時だった。9歳で人気野球漫画「ドカベン」を読んで登場人物に魅せられ、自分がやっていたバスケットボールを題材にしてペンを執った。
スラムダンクの漫画はこれまでに1億2000万部が売れ、17カ国で出版され、テレビアニメシリーズにもなった。北米では2002年に英語版がリリースされている。
井上氏が作品を描き始めるときは、まず編集者とストーリーについて打ち合わせ、DVDやインターネットなど気を散らすものがない喫茶店に行って、ストーリーを練りながら鉛筆で下書きを始める。
「本の形で読者が読む時のことを考えて、めくった時に最初に目に飛び込んでくるものがどういうものか、そこに驚きがあってほしいし、目を引いてほしい」。