デトロイトの未来を予言した?「ロボコップ」の世界
(CNN) 「デトロイトは未来に置き去りにされた」――米デトロイト市を舞台にしたSF映画「ロボコップ」の台本の最初のページにあった書き込みだ。
まさにデトロイトの現状を予言したようなメッセージだ。デトロイト市は今月、約180億ドルの負債をかかえて破産した。
映画の脚本を手がけたエド・ニューマイヤー氏は、ロボコップは公開された1987年当時も今も「米国産業の凋落(ちょうらく)を示す」メタファーだと語る。また、「デトロイトが重要なのは、同市が直面している経済的荒廃は他の多くの場所でも起きうると想像するからだ」とも述べる。
「ロボコップ」で主人公のサイボーグ警官が活躍するのは、経済が衰退し、財政破綻(はたん)したデトロイト。かつては工業の中心地として栄えた大都市だったが、産業の空洞化と失業によって荒廃したという設定だ。
映画のなかでデトロイトを支えているのは、病院から警察まで経営する多国籍企業オムニ社だ。これも現実のものになりつつあるのか。ニューマイヤー氏は、「私たちはこうしたもの(公共サービス)を企業に頼るようになってきている。だが企業の目標は、公共サービスに対するニーズとは一致しない。私たちは今、まさに『ロボコップ』に描かれた世界に住んでいる」と話す。
デトロイトは今、人口は2000年に比べて28%減少の70万人程度で、失業率は自動車大手が相次いで経営破綻した2009年に比べると改善したものの、ミシガン州の平均のほぼ2倍に当たる16%に上る。
また、犯罪が大きな社会問題で、フォーブズ誌は2012年、この街を最も危険な都市としている。