クイズ番組の景品は「赤ちゃん」、物議醸す パキスタン
カラチ(CNN) テレビの視聴率競争が激化しているパキスタンで、クイズ番組の景品として保護者のいない赤ちゃんが挑戦者に贈呈され、物議を醸している。
この番組は、イスラム教の断食月(ラマダン)の期間中に1日7時間生放送されている。これまでにカップル2組に女の赤ちゃんが贈呈された。生後2週間の子どもの母親になった女性は「赤ちゃんがもらえるなんて信じられなかった」「ものすごく幸せ」とコメントしている。
次は数日中に男の赤ちゃんが別のカップルへの景品になる予定だ。
司会者は宗教学者の肩書を持つ人物で、これまでにも宗教と娯楽を組み合わせて論議を呼んできた。番組では挑戦者500人がコーランに関する質問に答えて景品をもらう仕組み。景品にはほかにバイク、電子レンジ、洗濯機、冷蔵庫などが用意されている。
番組が贈呈した赤ちゃんは、同国の非政府組織(NGO)が路上で発見した。同組織は1カ月に15人もの赤ちゃんを受け入れているという。組織の運営者は「私たちの組織では道端やごみ箱に捨てられた赤ちゃんを見つけている。この子どもたちが良い家庭で暮らせるようにすることがなぜだめなのか。我々は審査の手続きも踏んでおり、(赤ちゃんを贈呈された)カップルには4~5回会って話し合う」と語った。