NYシティオペラ、経営難で破産申請へ
(CNN) 経営難に陥っていたニューヨーク・シティ・オペラ(NYCO)は1日、破綻(はたん)を回避するために必要な700万ドル(約6億9000万円)の資金が調達できず、米連邦破産法11条の適用申請も含めた活動閉幕への手続きに着手すると発表した。
発表によると、破綻回避のための700万ドルに加えて、今後の公演を続けるためには2013年末までに1300万ドル(約12億8000万円)を調達する必要があったという。
700万ドルのうちの100万ドルは、資金調達サイトを通じて一般から集めたい意向だった。しかし募集期間が終了した1日の時点で調達できたのは、約2000人から寄せられた30万ドルあまりにとどまった。これとは別に、150万ドルを調達していた。
同オペラ団は、ニューヨーク市民の誰もがオペラを鑑賞できるようにすべきだという理念のもと、メトロポリタン・オペラに続くニューヨークで2番目のオペラ団として1943年に創設され、今年で70周年を迎えていた。採算を取るためにはすべてのチケットを600ドル(約5万9000円)で販売する必要があったが、オペラに親しんでもらう狙いから、最も安い座席は25ドル(約2500円)ドルで販売していた。
しかし経営が悪化する中で、2011年には経費節減のためそれまで本拠地としていたリンカーンセンターを退去し、会場を転々として公演を続けていた。
現在は9月17日から始まった「アンナ・ニコル」を上演中。このままでは同作品がNYCOにとって最後の公演になる。
支配人のジョージ・スティール氏はニューヨーク市民やオペラファンに向けて「今年の公演を続けるためにはあなた方の助けが必要だ」と訴えた。