米ジャズギタリストのジム・ホールさん死去
(CNN) 米国のジャズギタリスト、ジム・ホールさんが10日、ニューヨークの自宅で心不全で死去した。83歳。
ホールさんは20世紀の多くの巨匠たちと活動する一方で、後進の音楽家たちに大きな影響を与えた。2004年にはジャズギタリストとしては初めて、全米芸術基金からジャズマスター賞を授与された。
近年、ホールさんとともに活動していたギタリストのジュリアン・レージさん(25)は、ジャズを含む多様なジャンルの音楽でギターの地位を確固たるものにしたとホールさんの功績を称えた。
「演奏家としてのジムが特別な存在だった理由の1つが、その美しい音色にあった」と、ギタリストのラッセル・マローンさんは語る。「豊かで素敵で円熟した、甘い音だった」
また、ホールさんは1つ1つの音に意味や重要性を持たせて演奏するプレーヤーだったとマローンさんは言う。「無駄な音は1つもなかった」
ニューヨーク州バファローで生まれたホールさんは、子供時代のほとんどをオハイオ州クリーブランドで過ごした。
ギターを弾き始めたのは10歳のとき。クリーブランド音楽大学を卒業後の1955年、チコ・ハミルトン・クインテットに加入する。
60年代にはエラ・フィッツジェラルドの南米コンサートツアーに参加。61年にはソニー・ロリンズ・カルテットの一員として、アルバム『橋』の録音に参加した。
「本当にすばらしい人物だった」とマローンさんも言う。「夜中に電話をかけてきては、笑いながらどんなに私のことを好いているかを語ってくれたものだ」