「ユニホームで出歩かないで」 米選手団に警告
ワシントン(CNN) 米国務省は24日、ロシアのソチで間もなく開幕する冬季五輪に参加する米国選手団に対し、五輪会場の外でユニホームを着ないよう警告していることを明らかにした。選手の安全を確保するための対策の一環だという。五輪には治安当局者が同行し、選手団は当局者の厳重な監視下に置かれる。
ロシア当局が五輪会場周辺でテロ計画への関与が疑われる容疑者の捜索を行っていることが明らかになったのを受け、米国では選手団を守るためのさまざまな対策が取られている。
今回、選手やコーチ、関係者に競技以外の場でユニホームを着用しないようにとの警告が出されたのもその一環。国務省幹部はこうした動きについて、「米国の代表選手だとしても、それを五輪会場の外でまで宣伝する必要はない」と説明した。国務省は、この警告が米国選手団の安全対策担当者から出されたものであることを認めている。
個々の選手についても、国務省の警備担当者が各競技、各会場に同行し、厳重な警備を行う。
当局は、選手団に同行する治安当局者の人数は明らかにしていないが、230人以上の選手団、270人以上のコーチ陣のほかに、多くの関係者が参加することを考えると、かなりの人数になることが予想される。
しかし、この安全対策では観客は考慮されていない。国務省は観客として五輪に参加する米国市民は約1万人に上ると見ている。
ヘーゲル米国防長官は記者会見で、「米国市民の保護についてロシア政府と話し合いを重ねてきた」とし、「米国市民を避難させる必要がある場合は、ロシアと協力して適切な手配を行う」と述べた。長官によれば、今のところロシアからの支援要請はないという。