エベレスト登山再開、最初の挑戦者は日本人
(CNN) ネパール大地震による雪崩で登山が中止されていた世界最高峰エベレストで、北海道出身の栗城史多さん(33)が再開後初の登頂を目指している。
計画によると、栗城さんは16日早朝(日本時間の同日午前)に標高6400メートルのキャンプ2を出発、単独・無酸素で山頂を目指す。ただ現地では12日から降雪が報告されるなど、16日にかけて悪天候となっている模様だ。
栗城さんがエベレストに挑むのは2009年の初挑戦以来、5回目。12年には凍傷で両手9本の指を失った。残された右手の親指で物をつかむことはできるが、冬山には欠かせないピッケルを握ることさえ難しい。
栗城さんは今月、CNNとのインタビューで、医師からはパフォーマンスが20%以上下がると告げられたことを明かした。自動販売機からおつりを取るなどの細かい動作に時間がかかるようになったという。だが指を失ったことで多くを学び、周囲の人々に支えられたと話した。
登頂に挑戦するのは記録や名誉のためでなく、夢に向かって進み続ける姿勢を人々に伝えたいからだとも語っていた。
エベレストでは今年4月、大規模な雪崩が相次ぎ、少なくとも19人が死亡、61人が負傷する史上最悪の惨事となった。