チャーチルが育った宮殿、映画撮影でナチス司令部に 批判の声
(CNN) 第2次世界大戦時に英首相を務めたウィンストン・チャーチルが生まれ幼少期を過ごした邸宅が、映画撮影でナチス司令本部のセットに使われていたことが24日までに分かった。ナチスのかぎ十字も多数あしらわれており、退役軍人で作る慈善団体や元軍司令官からは怒りの声が上がっている。
この邸宅は英イングランド南部オックスフォードシャーにあるブレナム宮殿。映画「トランスフォーマーズ」の次回作の撮影セットとして使われており、総統ヒトラーの司令本部が置かれている。監督はマイケル・ベイ氏。
英大衆紙サンが23日に写真付きで報じたところによると、宮殿にはナチスの巨大な旗が飾られているほか、ナチス親衛隊(SS)の制服に身を包んだ俳優やドイツ軍の戦車が周囲を取り囲んでいる。
アフガニスタン駐留英軍の元司令官であるリチャード・ケンプ大佐はCNNに対し、「英国史上で最も偉大な戦争指導者の思い出に対する侮辱だ」と述べた。チャーチル氏はナチスの象徴であるかぎ十字と闘うために尽力し、国を鼓舞していたとも指摘し、他にいくらでも候補地はあると批判した。