東京の「通勤地獄」、香港の裏通り カメラがのぞいた大都市生活の実態
――東京はほかの国際都市とどこが違うか。
「東京の通勤ラッシュはどんな都市よりも激しい。世界にはもっとまっとうに計画された都市がある。家賃が統制され、都市計画が立てられ、建物の高さも制限されている。問題なのは、一部の国際都市は、そこに住む人々よりも都市の発展のほうを重視しているということだ。私から見ると、東京ではだれもが貪欲過ぎて、その貪欲さが庶民に及ぼす影響など構っていない。これが結局自分たちにはねかえってくるのだろう。発展はプラスにもなり得るが、適切な方法をとる必要がある」
――通勤客を撮影するにあたって、どんな感情をとらえたいと考えたのか。
「作品を見る人には、『こんな生活で生きるかいがあるだろうか』と思いをめぐらせてもらいたい」
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ウルフ氏の新作「インフォーマル・ソリューション」の写真展は現在、上海のM97ギャラリーで開催されている。