映画「ジョーカー」、公開初週の興収は100億円 10月で過去最高
ニューヨーク(CNN Business) 米人気コミック「バットマン」を基にした映画「ジョーカー」の公開初週の興行収入が、10月公開の作品としては過去最高を記録したことが7日までに分かった。同作をめぐっては、劇中の暴力描写に対して一部の観客などから不安の声が上がっていた。
ワーナー・ブラザース配給の「ジョーカー」は、バットマンの宿敵で狂気をはらんだジョーカーがどのようにして生まれたのかを描いている。公開初週の北米での興行収入は推定で9350万ドル(約100億円)。昨年10月にソニー・ピクチャーズの「ヴェノム」が叩き出した8000万ドルを抜き、10月公開作品の初週の興収で過去最高額を記録した。
ワーナー・ブラザースが今年手掛けた作品の初週の興収では最も高額。またR指定作品の中でも最高の水準となっている。世界全体での興収は2億3400万ドル。
「ジョーカー」をめぐっては公開に先駆け、映画館での銃乱射を示唆する内容を含む脅迫的な投稿がオンライン上に多数寄せられた。米連邦捜査局(FBI)や国土安全保障省はこうした脅迫に対して、法的措置を取ると警告していた。
調査会社コムスコアのシニアメディアアナリスト、ポール・ダーガラベディアン氏は、こうした騒ぎが興収にとって追い風になったと指摘。「(『ジョーカー』が)1つの文化的な現象となった。作品にまつわるすべての言説によって、必ず映画館で見なくてはいけないという風潮が出来上がった」と述べた。
映画評論サイト「ロッテン・トマト」での「ジョーカー」の満足度は69%。同作はベネチア映画祭で金獅子賞を受賞したほか、主演のホアキン・フェニックスをアカデミー賞の有力候補に推す声も上がっている。