ベトナム漁師が語る、中国船による漁船襲撃の実態 南シナ海
(CNN) 中国やベトナムが領有権を争う南シナ海のパラセル(西沙)諸島で操業するベトナムの漁師たちが、中国船に襲撃される事件が相次いでいる。ベトナム当局を通じて取材に応じた漁師がCNNに自身の体験を語った。
漁業を営むレ・タンさんは、海上で何度もトラブルに遭遇してきたと話す。昨年は中国船籍の船に追跡されて息子と共に拘束され、脅迫されたといい、「相手はまず魚を、それから器材を奪った。気に入れば自分たちのものにして、気に入らなければ投げ捨てた」と振り返る。
この10年で4~5回は襲撃に遭ったといい、1度は息子が3日間にわたって拘束された。息子は暴行されたり脊椎(せきつい)をテーザー銃で撃たれたりして重傷を負い、「3カ月間自宅から出られなくなり、仕事もできなかった」とタンさんは言う。
ベトナム当局によれば、タンさんのようにパラセル諸島で操業している漁師は数百人が被害に遭っているという。
オバマ米大統領は23日にベトナムを訪問。南シナ海の領有権問題は重要な議題として浮上している。
中国は1947年の地図を根拠として、南シナ海のほぼ全海域について領有権を主張する。これに対してベトナム、フィリピン、マレーシア、台湾、ブルネイはいずれも異議を唱える。