宇宙長期滞在で細胞の老化に変化?、双子飛行士で比較研究
(CNN) 国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在した米飛行士の心身に関する詳細なデータを、地球上にいた一卵性双生児の兄弟を比較するなどして分析した初期結果が5日までに報告された。細胞の老化にかかわる染色体末端部の減り方に変化がみられたという。
米航空宇宙局(NASA)のスコット・ケリー飛行士とロシアのミハイル・コルニエンコ飛行士は2015年から16年にかけて1年間、ISSに滞在した。それまでの飛行士の滞在期間は6カ月が通例となっていた。
NASAでは現在、10組の研究チームが両飛行士とケリー飛行士の双子の兄弟、マーク・ケリー氏の免疫反応や骨の状態、腸内環境などのデータを比較、分析している。先ごろ開かれた年次報告会で、各チームがこれまでの成果を発表した。
スコット氏とマーク氏の白血球細胞を採取して染色体の末端にある「テロメア」という部分を調べたチームによると、スコット氏は宇宙滞在中にこの部分が長くなっていたことが判明した。テロメアは普通、細胞が老化するにしたがって少しずつ短くなることが知られている。スコット氏の場合も、地球に帰還した後はテロメアがまた短縮していた。