地図上の南太平洋の島は実在せず 科学者チームが発見
(CNN) 南太平洋上に存在すると考えられていた米国のマンハッタンとほぼ同じ大きさの島が、実際には存在しないことが科学者チームによる探査の結果、明らかになった。
この問題の島は、複数のオンライン地図や海図を見ると、たしかにオーストラリアとニューカレドニアの中間に明確に表示されている。科学者らは、今回の「発見」は、海について未知の部分がどれだけ多いかを浮き彫りにするものだと指摘した。
今回、探査を行ったのは、シドニー大学のマリア・シートン博士率いる科学者の国際チームだ。探査チームに参加した博士課程の学生、セービン・ザヒロビック氏は、「この謎の島は、どの科学地図や天気図にも載っているが、われわれの船にあった航海用海図にはなかった。そこで、この島が実在するのか現地に行って確かめることにした」と語った。
グーグルマップでは「サンディ島」と表示され、他の地図では「セーブル島」と書かれているこの島は、実在すればかなりの大きさで、広さは156平方キロもあるが、探査船はその島があるはずの場所を何事もなく通過してしまった。
今回の島の「不存在」の発見は、科学者チームによる探査の本来の目的ではなかったが、地図の誤りの影響は甚大だ。
ザヒロビック氏も「すべての科学的地図製作は、これらの地図に依存している。波や潮の流れの数値シミュレーションは、これらの島の大きさで変わってくる」と語った。