米NSAの監視、EUも標的か 欧州諸国から非難噴出
(CNN) 独誌シュピーゲルは6月30日、米国家安全保障局(NSA)が欧州連合(EU)などを対象に盗聴などの情報収集活動を行っていたと報じた。これに対し、EUや欧州諸国から「事実とすれば大問題だ」と非難が集中している。
シュピーゲルによると、NSAの監視活動を暴露した米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者が入手していた極秘文書に、NSAが米ワシントンやニューヨークのEU事務所、ベルギー・ブリュッセルのEUビルに盗聴器などを仕掛けていたことを示す記述があった。
また特にドイツの通信記録を集中的に監視し、1日当たり最大で電話通話2000万件、インターネット接続1000万件のデータを収集していたことも分かったという。この件数は中国やイラク、サウジアラビアへの情報活動に匹敵する。
同誌の報道を受け、欧州議会のシュルツ議長は声明で「深い懸念と衝撃」を表明。「事実ならEUと米国との関係に重大な影響を及ぼす」と述べ、米当局に迅速な情報提供を要請した。
ドイツのロイトホイサーシュナレンベルガー法相は「事実とすれば、まるで冷戦中のような活動だ」と不快感を示し、米国に即刻説明するよう求めた。