独情報機関トップ、訪米へ 米盗聴疑惑の説明求め
(CNN) 米国家安全保障局(NSA)がドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴していたと伝えられた問題で、ドイツ情報当局高官らのチームが近く米国を訪問する見通しとなった。ドイツ外務省の報道官が27日までに明らかにした。
チームにはドイツの国外、国内での情報活動をそれぞれ統括する責任者らが参加し、米当局に盗聴疑惑についての説明を求めるという。
独誌シュピーゲルはこの問題について、メルケル首相の電話への監視は10年以上続いていたと伝えている。米情報当局の機密資料から判明したという。同誌は同じ資料から得た情報として、米国が首相以外にも多数のドイツ政治家を対象に、少なくとも今年オバマ大統領がドイツを訪問するまでは監視を続けていたと伝えた。
こうした報道に対し、NSAの報道官は「特定の情報活動については公にコメントしない」「米国はこれまでも公言してきた通り、他のすべての国と同様に外国の情報を収集している」と、従来のコメントを繰り返した。ドイツ高官らの訪米については「ドイツ情報当局者とは数カ月前から連携強化に向けた交渉を続けている。来訪を楽しみにしている」と述べた。
ドイツ外務省の報道官によると、同国はブラジルと共同で、電子通信のプライバシー保護に関する国連決議案を作成している。ブラジルもまた、NSAがルセフ大統領らの通信を傍受していたとの報道を巡り、米国への批判を強めている。
24~25日にブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)首脳会議もこの問題を主要な議題として取り上げ、情報活動における相互理解に向けてドイツとフランスが年内に米国と協議することで合意した。