刷新か撤退か 「グーグルグラス」が製造中止に
(CNN) 米グーグルが眼鏡型ウエアラブル端末「グーグルグラス」について、現在の形での製造を打ち切ると発表した。
発表によると、同社は引き続きスマートグラスへの取り組みは続けるものの、現在のモデル「グラス・エクスプローラー・エディション」の販売は19日で終了する。
グーグルの声明では、グーグルグラスは研究部門の「グーグルX」を「卒業」して単独部門になり、ネスト創業者として知られるトニー・ファデル氏が統括すると説明している。
グーグルグラスは音声操作によってメッセージ送信やナビゲーション、ビデオ撮影などができる端末で、2013年から米国で販売されてきた。しかし当初から、安全性の問題やプライバシー問題などが指摘されていた。
今回の発表を巡ってツイッターなどソーシャルメディアでは多様な意見が飛び交っている。
「グーグルはやっと、グラスの刷新(そしてやり直し)が必要だと気付いた。本物のデザイナーが必要だ」という声もあれば、「グーグルグラスは死んでいない。正式な部門になって法人に重点が置かれた」など前向きな受け止め方もある。
グーグルグラスを着けた人が襲われたり締め出されたりした事例について検索するユーザーの多さをうかがわせる画面を示し、「グーグルグラスが一新される理由はそれほど深く検索しなくても分かる」という指摘や、「グーグルグラスの成功を予想していた人たちには、人間の洞察を差し置いてハイテクを崇拝した罪がある」など哲学的なコメントもあった。
いずれにしても、グーグルグラスはこれで終わり、というわけではなさそうだ。
米ニューヨーカー誌(電子版)のエディター、ニック・トンプソン氏は、1年ほどすればデザインを一新した刷新版が登場すると予想している。