米NY州のダム、ハックされていた イランからの攻撃か
ワシントン(CNN) 米ニューヨーク州のダム管理システムが2013年にサイバー攻撃を受け、水門を制御される事態になっていたことが22日までに分かった。関係者はイランのハッカーの仕業だったと話している。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。
この事件の捜査に詳しい元米当局者によると、サイバー攻撃を受けたのはニューヨーク州ライブルック近郊にあるボウマン・アベニュー・ダム。それほど高度な手口は使われておらず、イランのハッカーが不正アクセスを試す目的で仕掛けたとこの当局者は見ている。当時はイランのハッカーが米国の金融機関を狙ったとされるサイバー攻撃も発生していた。
ハッカーはダム全体のシステムに侵入することは出来なかったが、水門を制御することは可能だったという。
ライブルックのポール・ローゼンバーグ市長によると、ダムは降雨時に水流をコントロールして下流の洪水を防ぐ役割を担っている。ダムの制御に使われていたのは業界標準のソフトウェアだったという。侵入者は隙をうかがって損害を発生させようとしていたと市長は述べ、危機感を募らせている。
基幹インフラの制御に古いソフトウェアが使われ、インターネットに接続されている問題は専門家などが以前から指摘し、外国のハッカーの格好の標的になりかねないと警告していた。
米国土安全保障省(DHS)はダムに対するサイバー攻撃についてのコメントは避けたものの、引き続き全米の関係機関や業界と連携してインフラの安全を守る対策に力を入れると強調した。
DHSのセキュリティー対策機関ISC-CERTによると、重要インフラを狙ったサイバー事案は2014年の1年間で245件の報告があり、うち32%はエネルギー業界、27%は重要製造業界が標的にされていた。