テレグラム創業者、暗号化通信の「バックドア」に反対
(CNN) 1億人のユーザーを抱えるとされるメッセージアプリ「テレグラム」の創業者パベル・ドゥロフ氏(31)は24日までに、CNNの取材に答え、暗号化通信に「バックドア(裏口)」を設ければテロリストや犯罪者を利することになると述べた。テレグラムのメッセージアプリは過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の戦闘員らが利用していることで知られる。
インタビューの中でドゥロフ氏は「米国ではテレグラムのことを『ISIS御用達のメッセージアプリ』と言うようになっているが、実際にはまともなユーザーのほうがずっと多い」と指摘した。
バックドアの是非については、激しい議論が巻き起こっている。最近では、テロ容疑者所有のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」のロック解除を求めた米連邦捜査局(FBI)に対し、メーカーであるアップルが危険な前例を作るとしてこれを拒否したことが物議を醸した。
ドゥロフ氏も当局の考え方は「あまりにも単純すぎる解決法」だと主張する。
問題は「全ての人にとって安全だがテロリストだけ例外」という技術などあり得ないということだ。ドゥロフ氏は「犯罪者からの侵入を拒む一方、政府には開かれたアプリなど作れない。そんな措置を実行したら、私たちの通信やビジネス上の秘密、個人データのほとんどは危険にさらされるだろう。バックドアがあるということは、政府の役人だけでなく、理論的にはテロリストを含む犯罪者もそれを使えるということだからだ」と説明した。
テレグラムも、英国など複数の国の政府から協力を求められてきたという。
それでもドゥロフ氏は「創業からこれまで2年半、わが社はユーザーのデータをいっさい公表していない」と誇らしげに語った。