今年の単語は「外国人嫌悪」、世相を反映 英語辞書サイト
(CNN) オンライン英語辞書サイトのディクショナリー・ドットコムは30日までに、今年を代表する2016年の単語に外国人憎悪を意味する「xenophobia(ゼノフォビア)」を選んだと発表した。
同サイトが定義するxenophobiaの意味は、「外国人や違う文化圏の人々、あるいはよそ者に対する恐怖や憎しみ」「自分とは文化的に異なる人たちの習慣や服装などに対する恐怖や嫌悪」。今年の単語に選んだ理由については「今年は特に、恐怖が文化的会話の表面に浮上した」と説明している。
xenophobiaの単語検索が激増したのは6月24日、英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱が決まった翌日だった。この日の検索は938%増に跳ね上がったという。
続いて6月29日、米国のオバマ大統領が共和党のドナルド・トランプ氏の発言に関してこの用語を使った時も検索が急増した。
トランプ氏は米大統領選挙の選挙戦を通じて、イスラム教徒の米国への入国禁止やメキシコからの不法移民流入を防ぐ国境の壁建設などを訴えていた。
xenophobiaの形容詞に当たる「xenophobic(ゼノフォビック)」という単語は1997年、オーストラリアの政治に登場した。極右政党ワンネーション党の共同創設者ポーリン・ハンソン氏は当時のテレビ番組で「あなたはゼノフォビックですか?」と質問されて意味が分からず、一瞬押し黙ってから「説明して下さい」と答えていた。
これに先立ちオックスフォード辞典は今年の単語に「post-truth(ポスト・トゥルース)」を選んでいた。同単語は「客観的事実が世論の形成において感情や個人的信条への訴えよりも影響力が低くなる現象」と定義されている。