トルコ、ウィキペディアへの接続遮断 「同国中傷の情報源に」
(CNN) トルコ当局は29日、 国内からのオンライン百科事典「ウィキペディア」へのアクセスを遮断したと発表した。国営アナトリア通信が伝えた。
運輸海事通信省はウィキペディアについて、トルコがテロ組織と連携しているかのような記事やコメントが掲載されていると非難。「トルコに対して中傷作戦を展開する情報源の一部になっている」と主張した。
トルコ当局はウィキペディアに対し、問題の内容を削除するよう要請したが、ウィキペディアはこれを拒否したという。当局は、ウィキペディア側が要請に応じれば遮断を解除するとしている。
同国政府による検閲活動を監視しているグループによれば、現地時間の29日午前8時以降、ウィキペディアの全ての版へのアクセスが遮断された。
ウィキペディアを支援する非営利組織(NPO)「ウィキメディア」は、この決定の合法性について司法の判断を求める構えだ。
ウィキペディアの創設者、ジミー・ウェールズ氏は「情報へのアクセスは基本的な人権だ。私は常にトルコ国民の皆さんの味方として、この権利のために戦う」と表明した。
同国ではこれまでにツイッターやユーチューブへの接続が遮断されたこともある。
昨年のクーデター未遂を受けた厳重な取り締まりは今も続く。29日には兵士や研究者を含む公務員ら約4000人が新たに解雇され、18の学術財団と14の非政府組織(NGO)、13の医療関係団体が閉鎖された。テレビのお見合い番組も同日付で禁止された。