銃弾のネット販売などを実質制限する法案、米民主党議員が提出
ワシントン(CNN) 米コロラド州の銃乱射事件で銃の規制強化をめぐる論議が再燃する中、米民主党の議員2人が30日、銃規制に関する法案を提出した。同法案は銃弾の購入時に身分証明書の提示を求めるなど、実質的にインターネットや通信販売などを通じた一般人による銃弾の購入を制限する内容となっている。
「オンライン銃弾販売阻止法案」は、以前から銃規制強化を訴えてきたフランク・ローテンバーグ上院議員とキャロライン・マッカーシー下院議員が提出した。一般人が銃弾を購入する際に写真入りの身分証明書の提示を義務付けることで、実質的にネットや通販での販売を禁止する内容だ。
販売業者に対しても、銃弾を1000発以上に購入した人物がいれば5営業日以内に当局に届け出るよう義務付ける条項を盛り込んだ。
ローテンバーグ議員は同日ニューヨーク市で記者会見し、「人殺しやテロリストがネットで銃弾を購入できてしまう抜け穴はふさぐべき」「これがどれほど誤ったことかは誰にでも理解できる」と訴えた。
コロラド州銃乱射事件で殺人罪に問われたジェームズ・ホームズ被告は、インターネットで銃弾6000発以上を購入していたとされる。
ただ民主党にとって、銃規制強化は政治的な危険をはらむ。2000年の大統領選でゴア元副大統領が敗れたのは、銃規制強化を訴えたことが一因との見方もある。議員の多くは強大な影響力を持つ全米ライフル協会(NRA)との対立を避けたいのが本音だ。
オバマ大統領は26日、この問題について「精神的な均衡を欠いた人物」が武器を入手するのを防ぐため、「常識的」な対応が必要だと力説したが、新たな銃規制法の導入には踏み込まなかった。