共和党副大統領候補決定で本選モードへ 米大統領選
ライアン氏は「ノー」を連呼する聴衆に対し、「米国経済は正しい方向に向かっているか。債務や赤字は制御できているか。米国は正しい方向に向かっているか」と問い掛け、「なぜそうならないのか、それはオバマ大統領の政策が全く機能していないからだ」と述べた。
しかし、オバマ陣営も黙ってはいない。共和党予算案の立案者であるライアン氏に対しておなじみの批判をし、現在の景気低迷の原因を作ったと批判されているジョージ・ブッシュ前大統領とライアン氏を結びつけようとした。
オバマ陣営は声明の中で、「ロムニー氏が副大統領候補に選んだライアン氏は、富裕層に減税の恩恵を与える一方、中流層や高齢者にはさらに重い負担を背負わせることが経済の強化につながるとの誤った理論を共有する共和党下院議員のリーダーだ」と批判した。
民主党議会選挙対策委員会(DCCC)の委員長を務めるスティーブ・イスラエル下院議員(ニューヨーク州選出)は、「ライアン氏とロムニー氏は富裕層には人気があるが、医療保険給付を受給してきた高齢者には最悪のコンビだ」との見方を示す。
イスラエル議員はさらに、「われわれは過去18カ月間、共和党議員らは弁護の余地のないこと、つまりメディケア(高齢者向け医療保険制度)廃止の実現について弁護せざるを得なくなると主張してきた。ライアン氏が副大統領候補となった今、共和党下院議員らは彼らができれば避けたいと思っていたこと、すなわち、富裕層を優遇してメディケアや中流層を二の次にするという共和党の予算案に関する国民的議論に向き合わざるを得なくなる」と指摘した。