「正当なレイプ」なら妊娠はまれ――米共和党議員が失言認める
(CNN) 米共和党のトッド・エイキン下院議員(ミズーリ州)は19日、「『正当なレイプ』が妊娠に結びつくことは滅多にない」とした自らの発言は失言だったと認めた。
エイキン議員は人工妊娠中絶反対の立場で保守層の支持を集め、今年11月の選挙では上院議員選に出馬予定。地元テレビ局のインタビューの中で、強姦事件の被害者の場合は中絶を認めるべきかと尋ねられて反対の意見を示し、「私が医師から聞いた話では、(強姦被害者の)妊娠は極めてまれだ」「もしそれが正当なレイプなら、女性の体にはすべてを拒絶しようとする仕組みがある」と発言した。「正当なレイプ」の定義についての説明はなかった。
リベラル系の団体がこの内容をインターネットに投稿していた。
エイキン議員は19日、「インタビューの中で失言があった。強姦や暴行の被害に遭っている年間何千人という女性に対し、私が抱いている深い同情の念を反映したものではない」とのコメントを発表。ただし強姦被害者の中絶に反対する立場は変わらないと述べ、「罰せられるべきはレイプ犯であって、子どもではない」と強調した。
強姦事件は被害者が被害届を出さない場合も多く、妊娠について正確な統計を取ることは難しい。しかし被害者支援団体の推計によれば、レイプを原因とする妊娠は全体の5%を占める。サウスカロライナ医科大学は1996年の調査で、レイプによる妊娠件数は年間3万2101件に上ると報告していた。