性転換症の受刑者に性別適合手術を提供、米判決で州に命令
(CNN) 米マサチューセッツ州の連邦裁判所は4日、性転換症の受刑者に希望する性別適合手術を受けさせるよう、同州に命じる判決を言い渡した。同受刑者の精神的疾患を治療するには同手術しか方法がないと認定した。
判決などによると、ミシェル(元ロバート)・コシレク受刑者は1990年に妻を殺害した罪で終身刑を言い渡されて服役中。自分の男性性器を切除しようとしたほか、男性刑務所に収監されていた間に2度の自殺未遂を起こした。
マーク・ウルフ裁判長は判決の中で、コシレク受刑者にとって性別適合手術は「唯一の適切な治療法」だと指摘。「適切な治療を受けられず、憲法上の権利が長期にわたり侵害されている状況を正すために、これよりも身体的負担が少ない方法はない」とした。
コシレク受刑者の弁護人は判決を受けて4日、「判決に従って治療を受けられるよう、州刑務局が直ちに対応してくれることを期待する」と語った。
同性愛者の権利擁護団体の弁護士によると、性別適合手術を性転換症の受刑者にとって必要な治療と認め、手術を受けさせるよう刑務所に命じた判決は初めてだという。
カリフォルニア大学が同州の受刑者を対象に実施した2009年の調査では、トランスジェンダーの受刑者が性的暴行を受ける確率は、受刑者平均の13倍に上ることが判明した。