米NYの反格差デモ開始から1年 公園で再び集会、逮捕者も
ニューヨーク(CNN) 米ウォール街占拠を呼びかけた反格差デモの開始から1年目に当たる17日を前に、ニューヨーク市南部の金融街にあるズコッティ公園に再びデモ隊が集結している。
1年前の9月17日に始まったデモは、金融機関など1%の富裕層のみが特権を持ち、残る99%は置き去りにされていると訴えて、全米に広がった。
16日はズコッティ公園を警官隊が取り囲んでいたが、午後7時の時点で逮捕者は出ていない。前日の15日には公務執行妨害や暴行などの容疑で約40人が逮捕された。
集まった人たちが訴える内容は環境保護から教育費の問題まで多岐にわたる。しかし所得格差と社会的不正に対する批判は共通しており、16日には「引き続き創造的な戦術を用いて社会的、経済的正義を目指す運動を展開する」との声明を発表した。
一方、抗議運動の焦点が定まらないことや公園などを占拠したことをめぐり、批判の声も高まった。フォーダム大学のヘザー・ゴートニー教授は「最初の数カ月は野営が運動の中心となってきたが、これは持続可能な抗議形態ではなかった」「そこでより地域に根差した抗議活動に移行したが、野営ほどの機運は盛り上がらなかった」と述べ、反格差デモは新しい戦略への切り替えに問題があったと指摘している。