トラと「一体化」求めたと男供述 米NY動物園の飛び降り事件
(CNN) 米ニューヨーク市のブロンクス動物園で21日、25歳の男が観覧用モノレールからトラの飼育場に飛び降り、右肩骨折などのけがを負った事件で、市警は22日、容疑者が「トラと一体化したかった」との動機を供述していることを明らかにした。
市警の報道官は、不法侵入の罪などに問われている容疑者は自殺を試みたわけではないと指摘。飼育場にいるトラの1頭を以前ペットにしていたとも主張したという。同動物園の責任者によると、モノレールが飼育場を囲むフェンス上を通過後、飛び降りていた。
容疑者は右肩の他、肋骨(ろっこつ)、足首、骨盤なども骨折、肺も損傷した。当初は重体と伝えられたが、現在の容体は安定しているという。
飛び降りが起きた後、動物園の緊急事態対応班が駆け付け、消火器を使ってトラを容疑者から遠ざけていた。容疑者が指示に従って電流が流れるワイヤの下に移動したところ、トラは離れていったという。このワイヤは接触すると電流の衝撃を感じるもので、トラを飼育場の特定の場所に近付けさせない訓練のために使われている。
動物園の責任者は記者団に、容疑者が指示に応じてワイヤの下に逃げたことで一命を取り留めたと説明。「トラが容疑者を襲おうと思えば、時間もあったし出来たはずだ」と述べた。
ブロンクス動物園の公式サイトによると、飛び降りが起きたのは「タイガーマウンテン」と呼ばれる飼育場で、マレートラやアムールトラ(シベリアトラ)が放されている。動物園は野生動物保護協会(WCS)が運営している。