米国民の8割「シリア情勢を懸念」、化学兵器疑惑には慎重な見方も
(CNN) 内戦が続くシリア情勢について、米国民の8割が懸念を示す一方、アサド政権の化学兵器使用の可能性については慎重な見方を示していることが、最新の世論調査で分かった。
CNNと世論調査機関ORCインターナショナルが米国の成人923人を対象に実施し、27日に結果を発表した。
それによると、シリア情勢を「非常に心配している」と答えた人は36%、「ある程度心配している」とした人は43%に上り、心配していない人は20%に満たなかった。非常に心配という回答の割合は昨年8月の調査に比べ、7ポイント上昇した。
年代別にみると、非常に心配と答えた人は50歳以上のグループの47%を占めたのに対し、50歳未満では28%と、大きな開きがみられた。
国連の推計によると、シリアでは反政府運動が激化した2011年3月以降、7万人以上が死亡し、国民の4人に1人が家を追われている。
アサド政権が化学兵器を使用したとの疑惑については、約3分の2が「使用した可能性が高い」と答えたが、「使用したに違いない」との回答は16%にとどまった。
03年に当時のフセイン・イラク大統領が生物・化学兵器を保有しているとの疑惑が指摘された際には、米国人の56%が「保有しているに違いない」と確信していた。しかし結局、イラクに大量破壊兵器は見つからなかった。米国人はこの一件への反省から今回は慎重な姿勢を取っているのだろうと、CNNのキーティング・ホランド世論調査担当ディレクターは指摘する。
米国がアサド政権の化学兵器使用を示す証拠を入手した場合、軍事行動は正当化されると考える人は全体の3分の2を占めた。ただ、03年の時点でイラクに対して同様の考えを示した人は85%と、今回をさらに大きく上回っていた。